大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(う)2391号 判決

被告人 加藤岩作

〔抄 録〕

論旨第二点について。

論旨は原判示の(2)の事実につき犯行の時刻の点を争い、原審の事実誤認を主張するものであるが、所論援用の証人板橋久の原審公判廷における証言は何ら時刻の点に言及していないものであつて、証人小林薫の証言によれば所論のごとく、原判示犯行の日に判示神山輝明が被告人方に来たのは午後十時過頃であることが窺われ、また原判決が証拠として掲げた被告人の司法警察員伊藤金治郎に対する第一回供述調書によれば右は午後十時頃であることが認められるのであるから原判決が右犯行の時刻を午後八時頃と認定したのは誤であるといわなければならない。しかしながら所論のごとく、被告人が右同日午後八時頃と午後十時頃の二囘に亘り同一犯行を繰り返えした形跡は記録を精査検討してもこれを認め難く、また賍物故買罪において犯行時刻の点のごときは犯罪の構成要件に該当しないことはもとより、さして重要な事柄でもないのであるから、この程度の誤は判決に影響を及ぼすものということはできない。畢竟論旨は理由がない。

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